【No.009】無料で公開されている地物データをダウンロードする方法とおすすめサイト一覧 | 国土数値情報ダウンロードサイト、G空間情報センターなど

はじめに

GISを扱う上で必ず必要になるもの、それが地物データ(=位置情報をもったデータ)です。例えば全国のコンビニの勢力マップを作りたいとき、コンビニの位置情報を持っていなければそもそも分析ができないですし、都道府県のポリゴンデータが無ければマップに表示することもできません。ではそういったデータはどうやって入手するのか?今回は一番お手軽な手法、つまりは「無料で公開しているサイトからダウンロードする」について紹介したいと思います。

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お勧めサイト一覧

国土数値情報ダウンロードサイト

国土交通省が無償で提供している空間情報のデータベース集。国土交通省ということだけあって、行政区域に関する情報、鉄道や高速道路・バスルートなどの交通情報、警察署・学校などの施設情報など公的機関に関する空間情報が豊富にあります。個人的には特にユーザ登録しなくても利用できる点が大きなメリットです。

警察署のデータをダウンロードしてみる

このサイトは比較的シンプルな構造になっていまして、例えば、警察署のポイントデータをダウンロードしたければ、HPにアクセス後に画面下へスクロールしていくと「3.地域の施設というカテゴリ」に警察署のリンクがあるのでクリックします(下図参照)。

クリック後、画面が遷移しますので画面下へスクロールしていくと都道府県単位の警察署のデータがダウンロードできます。下図の例では北海道のデータをダウンロードするケースです。

ダウンロードしたzipファイルを解凍するとshpファイルとxmlファイルが入っていますが、これが地物データになります。ちなみにshpファイルはdbx, shx, shpの3つで成立するファイルになりますので、欠損しないよう注意ください。今回のshpファイルには警察署の点データ(PoliceStation.shp)と、警察署管轄のポリゴンデータ(PoliceStationJurisdiction.shp)の2つがありましたのでマップに表示してみました(下図)。結果として、所望のデータが入手できたことがしっかりと確認できました。

G空間情報センター

一般社団法人 社会基盤情報流通推進協議会が提供するデータ流通支援プラットフォーム。法務局の地図データ(地番)や国勢調査のメッシュ統計などがあります。その他社会インフラに関するデータセットが多数あります。こちらのサイトはデータ利用の際に無料のユーザ登録が必要になりますので、予めHPの案内にしたがって申請して下さい。

足立区の登記所備付地図データをダウンロードしてみる

戸籍を取得したときに本籍地に書かれている少し特殊な住所(地番)の区画データ(ポリゴン)を入手してみたいと思います。今回は東京都足立区を事例として説明します。まずはコンテンツをダウンロードできるようにするため、サイトに無料登録して下さい。HP上部に新規ユーザ登録するページがありますので、流れにしたがって登録をすませて下さい。登録が完了したらログインをお願いします。

ログインが完了した状態で、HPにアクセスし「データを探す」に移動します。その後、キーワードに「足立区 登記所備付地図」と入力して「さがす」をクリックします。そうすると「法務省登記所備付地図データ変換済」というものがヒットしますので、更にクリックします。あとは特に迷うところがないと思いますので、詳細は割愛します。

【ダウンロードが上手くいかない方向け】繰り返しになりますが、ログインしていないとダウンロードができません。下図のように画面上部に「ログイン」の文字が出る場合はログイン後に再度アクセスしてみて下さい。(「ログアウト」の文字が出る場合は問題ないです)

ダウンロードしたzipファイルにはshpファイルが入っていますので、GISソフト(QGIS)で表示してみました。その結果、正しく足立区内の地番が区画表示できているのが分かります(選択されたポリゴン(赤色)=足立区花畑8丁目5715-3)。ちなみに足立区全域に地番地図(紺色)が表示されないのは、同サイトによると、公共座標がついたデータのみを公開しているからとのことです。

e-Stat 統計で見る日本

政府統計のポータルサイト。境界データは小地域(丁目・字等)まで細かい区分まであります。取得できるデータは国勢調査(人口・年齢等)や経済センサス(事業所数・従業者数等)、農業センサス(農業関連の計数)などになります。こちらのHPはユーザ登録制度はありますが、特にログインしなくてもコンテンツはダウンロード可能です。

東京都全域の国勢調査結果をダウンロードしてみる

今回は2020年度の小地域における区画データ(ポリゴン)を入手したいと思います。まずは地図をクリックします。画面遷移したら下のほうにある「境界データをダウンロード」をクリックします。その後、「小区域」→「国勢調査」→「2020年」→「小地域(町丁・字等)(JGD2000)」→「世界測地系緯度経度・Shapefile」→「13 東京都」→と進めていきます。最後に「13000 東京都全域」の右側にあるボタンをクリックするとデータをダウンロードすることができます。

今回のshpファイルはdbx, shx, prj, shpの4つで構成されています。ちなみにprjは座標系の情報をもつファイルで欠損していてもshpファイルとして成立しますので豆知識として覚えて頂ければと思います。下図はダウンロードしたshpファイルをGISソフト(QGIS)で表示してみた結果です。試しに東京都台東区浅草二丁目をクリックしたところ、「人口2,500人、世帯数が1,511」という国勢調査結果が確認できました。

Appendix

ここからは少し利用頻度の低い or 扱うのが少し難しいサイトを紹介します。詳細には触れませんので参考程度にご確認ください。

基盤情報ダウンロードサービス

国土地理院が運営する基盤情報ダウンロードサイト。数値標高モデルなどが置いてあります。ただしファイル形式がJPGIS(GML)形式のため、他のファイル形式(shpファイル等)に変換するには同サイトからダウンロードできる基盤地図情報ビューアを別途利用することで可能となります。(もしくは株式会社エコリスが提供する基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツールを利用)

東京都 オープンデータカタログサイト

東京都のオープンデータを公開しているサイトです。ちなみに東京都以外にもデータを公開している自治体はかなりたくさんありますので、気になるエリアがあれば検索してみると良いです。地物データ(shp, geoJSONファイル等)よりもcsvが多い印象ですので住所→緯度経度変換(ジオコーディング)をうまく活用すると良いです(参考ページ)。

データベース系のサイト

いままでご紹介したHPとは異なり、地物データ(shp, geoJSONファイル等)そのものは存在しませんが、「ジオコーディングで住所→緯度経度に変換しそれをGIS処理する」という前提を踏まえると、住所情報をもつサイトはすべてオープンサイトとみなすことができます。例えば冒頭にお話ししたコンビニ勢力マップを作りたかったら、全国のコンビニの住所情報があれば作成可能です。そんな住所情報が豊富に載っている総合サイトを最後にご紹介します。

サイト名URL
iタウンページhttps://itp.ne.jp/
NAVITIMEhttps://www.navitime.co.jp/
MapFanhttps://mapfan.com/
goo地図https://map.goo.ne.jp/place/

これ以外にもグルメ系であれば食べログぐるなびHOT PEPPERRettyなどたくさんありますので用途に合わせてご利用ください。ちなみにこういったサイトから住所情報を自動抽出する技術(Webスクレイピングと言います)はまた別の機会に記事にしたいと思います。

コメント

  1. googletest より:

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